むらかみの雑記帳

Android とか iOS とかソフトウェア開発に関するネタ帳

CashFlow レビュー & コンセプトについて

 CashFlow に関して、AppStore 側でいくつかレビューがあがってきています。レビューしてくださった方、ありがとうございます。いくつか要望が上がっているので、後ほど検討してみたいと思っています。

 今日は、CashFlow の開発コンセプトについてちょっと書いてみようと思います。

 CashFlow について私が考える本来の目的は、「パソコンの家計簿ソフトの補助」です。私は、普段 Windows 上で Microsoft Money を使って資産管理を行っています。これはなかなかよくできたソフトで、銀行やカードの明細は自動で取り込めるし、レポート機能もまあ充実していて、個人的には気に入っています(ちょっと重いのが難)。

 しかしながら、不満点もあります。Microsoft Money に限らず PC の家計簿ソフトの最大の難点は、「PCの前に座っていないと使えない」ということだと思います。銀行の明細やカードの明細の取り込みは別に自宅でやりゃいいので構わないのですが、日々の現金の出金はそうはいきません。私の場合は、会社で仕事しているときに自販機で飲み物を買うことが多いのですが、これは領収書とか出ませんので、覚えておいて帰宅してから入力、とやるしかありません。当然、面倒なので、週末とかにまとめて残高調整で週毎の出金をどんぶりで記録する、というやりかたになってしまいます。

 かといって、iPhone 上で PC の家計簿ソフトを 100% 代替しようというのはちょっと無理があります。Money が提供しているような電子明細一括取り込み機能を iPhone 上に作りこむのは相当難しいです。また、画面が小さいし、入力インタフェースも(PCに比べると)貧弱なので、この上で快適に資産管理ソフトを使うのは辛いと思います。

 CashFlow はこの不満をなんとかしたい、という理由から開発しました。なので、

  • メインは PC の家計簿で、CashFlow は補助として使う
  • 扱う資産は現金のみ
  • エクスポート機能を充実させる(特に Money 電子明細):これが実は最重要

ということを念頭において設計しました。複数の資産の管理や、費目の入力、レポート機能は一切入れていません。これは、Microsoft Money に明細をエクスポートで移してしまえば、あとは Money 側でいくらでもできるからです。複数の資産管理はいりません。費目の入力を iPhone で行うのは手数が増えるだけでうれしくないし、費目の補完は Money 側でやってくれます。レポート機能は Money にかなり強力な分析機能があります。

 なので、CashFlow はスタンドアローンのソフトとしてみると、機能はかなり不足しています。が、これは意図した通りのものなのです。

 そうはいっても、レビューを見るとやはりこの辺の機能は欲しいという人が多いようです。やはりスタンドアローンでも使いたいということなのでしょう。機能追加するべきかどうか、今ちょっと悩んでいるところです。自分で使わない機能だと、なかなか実装しようというモチベーションがわきませんし。ただ、いくら PC の家計簿の補助とはいえ、月別のビュー/レポート機能くらいはあると便利かもしれませんね。作るのはそんなに難しくないので、ちょっと考えてみようかな。