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むらかみの雑記帳

Android とか iOS とかソフトウェア開発に関するネタ帳

Google Play でEU向けに有料販売するときの VAT の扱いについて

'14/10/28追記 : 2015/1/1 から、VAT については Google が代行徴収と納付を行ってくれることになったようです。

海外向けに Google Play で販売するときの現地間接税(Sales Tax や VAT など)について少し調べています。今回はEUのVAT(付加価値税)についてメモ。

id:tmurakam:20120321#1332256170 にも書いたとおり、Google は間接税の徴収・当局への納税は一切やってくれないので、販売者側で責任を持ってやる必要があります (Apple は EU については代行してくれています)

消費税や VAT のような間接税は基本的に最終消費者が負担するわけですが、国をまたいだいわゆる「クロスボーダー」取引はこれが課税対象になるのかどうかが問題になります。

大抵の場合物理的なモノ(貨物)の場合は基本的に消費地、つまり買った側の国で課税されます。具体的には税関を通るときに課税するわけです。だからあまり難しく考える必要はありません。

ところがデジタルコンテンツのようないわゆる「クロスボーダー電子商取引」の場合、税関を通らないので判断が難しくなります。参考文献をいろいろ探してみたところ、貿易関係の書物はたくさんあるんですが貨物(物理的なモノ)を扱っているのがほとんど、つまり税関を通すものについての言及ばかりで、デジタルコンテンツについて書かれているものがなかなかありません。そんな中で電子商取引をめぐる課税上の取扱いについては結構しっかり書かれていておすすめ。

日本の消費税の場合は、デジタルコンテンツ販売のような役務提供は役務提供地で判定します。つまり、米国から日本に販売する場合、役務提供地が米国なので日本の消費税は課税対象外です。ところが、EU の場合はそうではなく、消費地課税になります。つまり日本から EU 内の消費者に販売する場合、現地の VAT の課税対象になるということです。これは上記文書の 31 ページ目あたりに書いてあります。また JETROの税制-EU にも以下のように記載されています。

さらに、理事会指令2008/8/ECは、サービスの事業者間取引一般について、従来の供給者所在国での課税から変更し、原則として、サービス受益者の所在地で課税されることとした。BtoCの取引には、従来どおり供給地の税率が課される。ただし、上記の2002/38/ECで導入された電子サービスの消費地課税主義は維持される。

つまり、B2C の電子サービス提供については、消費地課税になる、ということです。

事業者間取引(B2B) の場合は、EU内の輸入者側が最終消費者から徴収・納税するので販売側は相手に任せておけばいいんですが、Google Play のように販売者から消費者への直接販売(B2C)ではそうはいきません。日本国内の販売者(つまり我々)が VAT を徴収し、EU の当局に納税しなければならないのです!

これを行うためには VAT 登録を行う必要があります。ただ、実際には販売額が大きくなければ、VAT は免税になるようですので、個人でそれほど売れていなければさほど心配する必要はありません。EU向けインターネット販売する際のVAT登録によると、EU域内消費者通信販売の特例(DIRECTIVE 2006/112/EC の Section 3(2)(a))というのがあり、販売額が一定額を超えなければ免税です。具体的な金額は、このページの「EU域内消費者通信販売の特例」適用のための上限額一覧」リンク先にあります。国によって違いますが、だいたい年間 10,000ユーロくらい?ちょっと頑張って売れちゃったら割りと超えてしまいそうです (いや、Google Play だとそんなに売れないか、、、)

なお、VAT登録を行う場合は、EU 内の一国に対してのみ VAT 登録を行い、EU内の各国消費者から徴収したVATを VAT登録した国の当局に払う(税率はもちろん国によって違います)、というワンストップショップ制になっており、国ごとに VAT 登録は必要ない模様。それでも、個人レベルでそこまでやれるかというとかなり無理な気がします。

そうそう、あと VAT 登録して販売する場合、VAT Invoice (請求書・領収書ですね)には VAT Registration Number を記載しなければなりません。んが、Google が発行する領収書にはそんなもの書いてくれません。どーするんでしょうね。海外の掲示板で見たところ、VAT Registration Number を記載した VAT Invoice をユーザ毎にメールで出してる、と言っている開発者がいましたが、マジですか、、、自動化しなきゃ無理ポですが、さらに Google Checkout API は US/UK の開発者しか使えないので自動化もほぼ無理という罠仕様。

そんなわけで VAT はかなり面倒な雰囲気が漂うことはわかりました。米国の Sales Tax はこれに比べるとだいぶ楽らしいですが、、、